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働く女性必見「勤務間インターバル制度」とは!?

働く女性必見「勤務間インターバル制度」とは!?

2018/11/21

仕事で残業して帰宅するともう就寝時間。

「時間がなく、今日はもう自炊できないのでコンビニお弁当。」

「楽しみにしていた撮りためているドラマを今日も見られなかった」

「今日こそ、ネイルをチェンジしようと思ってたのに」

「友達と楽しみにしていた食事会だったのに」

翌日の出社時間を加味し、睡眠時間を削るか、何を削ろうかと悩みますよね。

仕事で残業しても翌日の出社時間は変わらない、この今まで当たり前と思っていた働き方が変わろうとしています。

それは「勤務間インターバル」という制度です。

働く時間に注目していた働き方改革ですが、働いていない時間に着目した注目の制度です。

 

目次

1、政府も奨励している「勤務間インターバル制度」とは?

「勤務間インターバル」は、勤務終了後、一定時間以上の「休息時間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保するものです。2018年6月29日に成立した「働き方改革関連法」に基づき「労働時間等設定改善法」が改正され、前日の終業時刻から翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保することが事業主の努力義務として規定されました(2019年4月1日施行)出典:厚生労働省

 

制度のきっかけは欧州連合(EU)が1993年、終業後に最低11時間の連続した休息を義務付ける国内法の整備を加盟国に求めたことで、注目されました。

例えば、ヨーロッパのように11時間空けることが義務付けられている場合は、

定時が9時~18時だと

18時に勤務を終了→翌朝5時から出社可能

21時に勤務を終了→翌朝8時より出社可能

24時に勤務を終了→翌朝11時より出社可能

となります。

残業をしても、翌日の出社時間まで余裕があるのでしっかりと休息時間が確保されるわけです。

 

また、国としては下記のような数値目標を挙げています。

・2020年までに、勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を20%未満とする。

・2020年までに、勤務間インターバル制度を導入している企業割合を10%以上とする。

(出典:厚生労働省

そのため、「勤務間インターバル制度」導入のための助成金制度も2017年度より新設しています。

今後、企業による導入が加速していくことが期待されます。

 

残業なし、通常業務の9時から18時ですと、15時間の勤務間インターバルです。

11時間空けることが決められ、9時仕事スタートだと残業は22時までにしましょうという決まりです。裏を反せば22時までは残業できてしまう。しかし、残業4時間が1カ月に20日間続くと、過労死ラインとされる時間外労働80時間に達してしまいます。ドキッとした方いませんか?

 

2018年7月発表の総務省の統計によると、

平成28年の勤務間インターバルの状況

・「14 時間以上 15 時間未満」の人が 21.7%と最も多い

・「11 時間未満」の人は 10.4%  

5年前と比較した勤務間インターバルの状況

・ 「11 時間未満」の割合は 0.4 ポイント上昇

となっています。

ヨーロッパでは定時に帰るという当たり前の感覚でも、11時間未満が10%いることを考えると、長時間働くことに慣れてしまった日本では制度化が必要とされます。

 

2、「勤務間インターバル制度」のメリット

今までの日本では、定時ぴったりの18時に勤務を終えようと、残業して24時に勤務を終えようと、翌日の出社時間が遅くなることはありませんでした。

 

終電まで仕事をして帰宅。翌日の7時半に家を出発するまで、睡眠時間が3~4時間の状態でも仕事に行かないといけないのが当たり前でした。

疲れが取れず、眠いのを堪えながら仕事しても集中できず、生産性が上がらないと人いると思います。

 

「勤務間インターバル制度」はしっかりと休息時間を確保できるようになるため、ゆっくりと睡眠時間を確保することができるようになります。

健康にとって睡眠が大切なのだろう、ということは、多くの人も漠然とはわかっているものの、猛烈に働くことを良しとしてきた時代を知っている日本人は睡眠を軽視しています。 「何日寝てない」といった、寝ていない自慢をするところありませんか?

過去一カ月の勤務を振り返りながら、寝付きと寝起きの状態や、睡眠中に目覚めたかなどの調査では、

「終業と始業の間を十三時間以上空けないと、睡眠の質が悪い状態になる傾向」があり、インターバルが十三時間より短い場合、睡眠時間が六時間半を下回るようになり、睡眠が短いと、睡眠中の疲労回復が不十分になり、睡眠の質の低下に関連すると考えられるといいます。(東京新聞WEB2018年7月2日判より)

 

何よりも睡眠不足だとイライラするし、普通なら怒らない些細なことでも、簡単にキレてしまったりします。周りにそういう方いませんか?

睡眠不足の悪影響ということは、 長期的には心臓病に罹りやすくなるとか、事故を起こしやすくなるといったニュースがよく挙げられます。それに加えて、職場の人間関係にも差し障りが出てくるようになります。

 

勤務間のインターバル時間を確保することで、まずは量的に睡眠や休息の時間を確保することが重要です。

 

また企業側のメリットとして、きちんとした労務管理が行われていることを示し、働きやすい職場であるとアピールできるので人材確保に繋がります。

 

3、働く女性にとっての「勤務間インターバル制度」

11時間の勤務間インターバルが設けられると、睡眠時間がしっかりと取れることに加え、働く女性にはメリットがあります。

 

身体を休めることができる、肌の休息時間が取れる、コンタクトをしていた疲れ目を癒せる、掃除、洗濯ができる、朝ごはんをゆっくりと食べることができる等々。

男性にはあまりピンとこないかもしれませんが、働く女性にとって時間のゆとりはとても重要です。

疲れた顔にはどんなに化粧しても疲れを隠せなかったり、ファンデーションのノリが悪いですよね。ヒールで疲れた足のマッサージだってしたいし、シャツにアイロンだってかけたい。子ども勉強だって見てあげれる、寝る前の絵本の読み聞かせだってできる。

今まで残業で時間がなく諦めていたことが、あれこれできるようになりますね。

 

働く女性にとって、「勤務間インターバル」で得た時間のゆとりは、心のゆとりに繋がります。

 

4、まとめ

人の生活は働いている時と、働いていない時を合わせて1日が成り立っています。

働いている時間については、これまでも残業時間の規制等として社会的にも考慮されてきましたが、一方の働いていない時間については問題とされてこなかったのが日本社会の実情でした。

しかし、働いている時間と働いていない時間の両方で人の生活は成立しているのだということを十分に考えていくことが大切です。

勤務間のインターバル時間は、この働いていない時間、人が生きるために必要とされる休息や睡眠を確保することができます。これから働く私たちにとってなくてはならない制度になるでしょう。

 


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