働く女性から見るフリーアドレスの課題とは
2018/8/3
オフィスのスタイルの一つであるフリーアドレスを知っていますか?
社員が固定の席を持たず、空いている席を自由に選んで仕事をするオフィスのことを言います。
図書館のように共有のテーブル、椅子があり、自由に座っている風景をイメージするとわかりやすいと思います。
従来のデスクのあるオフィスではなく、気軽に立ち話ができるスタンド型テーブル、一息入れたいときのコーヒーブレイクできるカフェ、ゆったりとしたホテルラウンジ風、コミュニケーションが取りやすい畳の和室など、オシャレでかっこいい空間を選べて仕事ができるので、毎日会社に行くのが楽しくなります。
しかし、フリーアドレスを経験してない人は、
場所取りの苦労があるんじゃない?
文房具や備品はどうするの?
誰がどこにいるのかわからないのでは?
など、不安があると思います。
そこで、働く女性の目線から、フリーアドレスへの不安を紹介し、課題を考えてみましょう。
今、働き方改革が盛んに叫ばれています。
残業問題や、人手不足、さらに生産性の低さなどの問題に企業は様々な方針を立て、改革をしています。
その一つがオフィスの改革です。
ノート型PCやスマートデバイスの普及、ICT(情報通信技術)の進化によるドキュメントのデジタル化が、働き方を変えています。
より行動的な働き方ができるにもかかわらず、今までの固定席のデスクがあるオフィスだと働き方が固定的になってしまうという心配があります。
人は働き方を変えろと言われても、明日から簡単に変わるものではありません。
企業は働き方を変えたければ環境を変えるのが一番だと気がつき、オフィスの変革にたどり着きました。
その一つがフリーアドレスオフィスの導入です。
時短勤務やテレワークといったライフスタイルに合わせて働き方が選択できるようになり、オフィスには空席が目立つようになりました。
そうなると、フリーアドレスの方が面積を取らなくていいので、低コストで効率的なオフィスとなります。
また、最近は、街のカフェなどでパソコンを開いて仕事に集中している人をよく見ます。
自分の席でなくても仕事ができるという自覚意識も、フリーアドレスが普及している要因でしょう。
・コミュニケーション活性化
自分の席が決まっていると、やはり居心地がいいので、ダラダラと過ごしがちです。
自分の席だから「後で片付けよう」と資料も散らかってしまい、話をする人も隣の人だけ。しかし、フリーアドレスだと席が決まっていないため、部署問わずいろいろな人と顔を合わせ、話をする機会が増えます。
コミュニケーションの活性化はマンネリ化解消になり、オフィス風土も良くし、オフィス全体に活気が生まれます。
・効率化で生産性UP
フリーアドレスの職場では、その日の仕事内容やスケジュールを考慮し、チームで近くに座ったり、集中できる個別ブースにしたりという働く場所を選ぶことができます。
また、会議や、ミーティングも必要な時にサッと集まり、サクッと話し合いができます。
業務の効率化を図り、スピードを速めることで生産性アップに繋がります。
「営業部門のフリーアドレス化で、デスクワークの時間が半減し、営業時間活動が40%アップしたという結果が表れています。」(はたらくみらい研究所著『フリーアドレスマネジメント』より)
・社員の意識改革
働き方に合わせて自由に席を変えることでリフレッシュもでき、席の選択は判断能力の向上になり、生産性、効率化アップを図る意識が生まれます。
また、自身の働き方を見つめる機会にもなり、時短勤務、テレワークなど多様な働き方に対する理解が、ダイバーシティの促進に繋がります。
オフィスをリニューアルしたり、設計するのは、総務や経営陣でチームを組むことが多いはず。しかし、男性ばかりのチームだと女性の不安、悩みに気がつかないままフリーアドレス計画が進んでしまいます。
女性から見るフリーアドレスへの不安は、
・どこに座っていいのかわからない。
・他の人が座っていたイスに座りたくない。
・前の人の消しゴムのカスや、コーヒーの輪シミができたテーブルに座りたくない。
・上司に確認してほしい資料があるのに、上司が見つからないのでは。
・人気の席はすぐ埋まってしまい、場所取りの労力をさかないといけないのでは。
・結局いつも同じ席に座っていそう。
・自分の文房具はどこに置けばいいの?
・ヒールを履いたままだと疲れるから、フラットな靴に履き替えたいが、その靴はどこに置 けばいいの?
・嫌いな人の横に座りたくない。
・オフィスの自分の席はいわば自分の部屋で、リラックスして仕事できるよう写真立てや好きな飾りつけをして・・・のようなデスク周りが続けられない。
フリーアドレスへの導入の狙いばかりを考えていると、このような声が耳に届かないのではという懸念があります。
*清潔にしてほしい
席を立つ時に、きれいにしてから移動するというルールを作りましょう。
荷物はもちろんコーヒーカップの輪シミ、消しゴムのカスなど汚れていたら、ウエットティッシュ、除菌スプレーを共有場に置き、拭いてから席を離れるということを徹底させます。
*ハサミ、裁断機、穴あけパンチ、ホチキス等、自分の文具以外は共有スペースを設ける
シャープぺンシル、ペン、定規、付箋などは筆入れで持ち運ぶとして、その他の文房具は共有スペースに置いて管理しましょう。
*個人ロッカーはオープンではなく扉つきにしてほしい
化粧ポーチ、替えのストッキング、オフィス用のフラットなシューズ、会社に置いておきたい個人所有物は女性ならあるはず。それが扉無しのオープンの棚だと気になるので、扉つきのロッカーにしてほしいですね。
*バッグ置き場を検討してほしい
ロッカーはあるが、またすぐに社外へ出る時など、その都度、ロッカーにバッグを置くのが面倒で、席に置くことは多々あります。
バッグを床に置くのは抵抗があるし、便利グッズで見つけたテーブルにかけるフックはバッグの取っ手が痛むので嫌です。
*どこに座ったらいいかわからない
好きな席に座ってもいいと言われても戸惑いますよね。
でも、仕事内容によって座席を変えられるのはメリットも多いです。
資料を広げて作業したい時は、デスクに仕切りがある一人席。仕事に集中したいときは電話禁止の集中エリア。
でも人気の席はいつも埋まっていて座れないということもあるかもしれません。
そこで、参考にしたいのがカルビー株式会社が採用しているダーツシステム。
出社したら入り口付近の端末で、エリアや座席種類を選ぶと、コンピューターが自動で座席を決定してくれるというシステムです。座席は最大5時間、一人席や集中席は2時間までという利用時間の制限もあります。
これなら苦手な人がもし隣になってしまっても、5時間だけの我慢と思えばやり過ごせそうですね。
システムを導入できなくても、週に一度は席替えを行うのもいいですね。
あと、退社する時、外出する時は、荷物は必ずロッカーにしまいましょう。
座席に荷物を置いたままだと、あの席はいつもあの人が座っているから座ったらマズいかなと思いますよね。
座席が固定化しないために、整理整頓は必ず徹底しましょう。
*資料を保管するのが面倒
共有の収納スペースはあるものの、以前より格段に保管スペースが減ったので、書類はスキャンしてファイル保存することに。ただ、スキャンするのも面倒だし、後で探すのに時間もかかります。
しかし、紙の書類だと保管スペースも必要だし、資料を整理する時間もバカになりません。「一般的なビジネスパーソンは、書類などのモノを探すのに時間の6割を費やしている」のだそうです。(はたらく未来研究所著「フリーアドレスマネジメント」より)
書類を電子化して保存し管理する方法は、社内、または部内で統一し、よりわかりやすい方法を追求するべきでしょう。あとは、慣れが必要です。
*上司やチームの所在を明らかにしてほしい
上司の決済、承認、チームの人と話したい時、オフィスのどこにいるのかわからなくては仕事が進みません。
これには、社内チャットなどのツール、チームの行動予定のスケジュールボードを掲示します。その日のスケジュールに合わせ、この仕事をするから、この人の近くに座ろうと計画ができます。
従来型のオフィスだと、ミーティングや打ち合わせをしたかったら、相手の都合を聞いて「では何日に調整しよう」というのが通常です。
しかし、フリーアドレスでは相手のスケジュールを見て、相手が会議をしている近くの席で仕事をし、会議室から出てきたところを捕まえて、パッと打ち合わせするというワザも使えます。
*寒い、暑い
座席によってエアコンの真下だったり、エアコンの風が直撃する位置だったり、オフィス内の寒い、暑い問題は女性にとって切実です。
そもそも営業や外出から帰ってきた人と、オフィス内でずっと仕事をする人だと同じ設定温度でも体感温度は違うもの。
夏に寒いと思ってリモコンを見ると、19度なんてことも!!(寒すぎます!)
座席によっても温度が変わるので、フリーアドレスで解決できますね。
*うるさい、話し声が気になる
フリーアドレスで声の大きい人が横に座ったらどうしますか?
隣で他のチームがミーティングを始めて話し声が気になることもあると思います。
そっと席を離れ、他の席に移るのが正解。
苦情も言いにくいし、そもそもフリーアドレスの目的がコミュニケーションの活性化なので、多少の音は我慢が必要です。
それでも静かな空間で集中したい時は、個室や集中ブースに行きしょう。
働き方改革に伴い、フリーアドレスのオフィスは増えています。
フリーアドレスへのリニューアルで、人に自慢したくなるようなおしゃれなオフィスで働くことができるのは嬉しいですよね。
そして大事なのは私たちの働き方の意識改革。
座席が自由になったから、仕事が自由にできるというより、今よりもっと自覚をもって働くことが必要です。
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