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家事は働く妻を苦しめている!? 「名もなき家事」の共有であなたの家庭は救われます!

家事は働く妻を苦しめている!? 「名もなき家事」の共有であなたの家庭は救われます!

2020/1/24

結婚し、家庭を持っても働き続ける女性が増えています。

「家事や育児は当然夫婦で分担し、公平にしています。」という家庭は素晴らしいですね。

しかし、現実は女性にばかり家事や育児の負担がかかっています。

総務省「平成28年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもを持つ男性の平均家事時間は一日当たり17分。それに対し、女性は187分となっています。

なんと女性は男性の11倍も家事に時間を費やしているのです!

どうして女性にばかり家事の負担がいってしまうのか。

それは男性が認識していない「名もなき家事」の存在がありました。

この「名もなき家事」とは一体何か見てみましょう。

 

目次

1、日本の家事事情

内閣府発表の「男女共同参画白書」平成30年版では、夫婦共働き世帯数が平成29年に1,188万世帯となり、男性雇用者と無職の妻の世帯数641万世帯の約2倍となりました。

 

出典:男女共同参画局「男女共同参画白書(概要版)」

 

さらに、女性は結婚して第一子出産前後も仕事を継続する割合が約4割から約5割へ上昇しました。

出典:男女共同参画局「男女共同参画白書(概要版)」

 

これほど働き続ける女性が増えているのに関わらず、日本は「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という性差役割分担意識が高いのが次の表でわかります。

出典:男女共同参画局「男女共同参画白書(概要版)」

 

日本で、6歳未満の子どもを持つ夫婦の1日当たりの「家事」「介護、看護」「育児」「買い物」の時間は妻が夫の約6倍!

他国に比べても日本の夫婦の時間差が激しいのがわかりますね。

 

女性が出産をしてからも働き続ける環境は、夫のサポートが不可欠です。

男性の家事育児時間が長くなるにつれ、正社員として働く妻も増え、世帯年収の増加に繋がるというデータもあります。(平成28年社会生活基本調査 総務省統計局より)

 

一昔前に比べ、保育園の送迎をしているパパは増えたし、小学校のPTAの男性が参加している割合も増えたように見受けられます。

しかし、それはほんの一握り事例であって、働く妻の負担はまだまだ重いのです。

イクメンという言葉が出現し、少し子ども世話をしただけでイクメンだと思っている男性が多いようです。

 

2、夫の家事に不満を抱く女性たち

たたでさえ少ない夫の家事、育児時間。

その夫の家事・育児の内容に不満を抱く女性が増えています。

出典:日経新聞

 

人材サービスのビースタイルが働く主婦層を対象に実施した調査では52.5%が「不満」と回答しました。

2年前の調査と比べ5ポイントほど高まったといいます。

掃除や片づけを夫にやってほしいと考えている一方で、実際に夫がやっているとの回答が多かったのはゴミ出しや買い物。

夫婦間のギャップが浮かび上がりました。

 

夫が「家事・育児を少しは行っていたが不満」が38.5%。

「家事・育児を全く行っておらず不満」とした人が14%でした。

合計は52.5%で、17年調査の47.8%から4.7ポイント不満の割合が高まりました。

「不満」と答えた割合を年代別にみると、30代以下は44.8%だったのに対し、40代は54.4%、50代は54.1%だった。若い世代は不満の割合が比較的低い結果となりました。

参考:日経新聞

 

大和ハウス工業が子と同居している共働き夫婦に限定し、家事に関する意識調査をしたところ、興味深い結果になりました。

出典:大和ハウス工業『共働き夫婦の「家事」に関する意識調査』

 

この調査で、”夫の参加しているつもり”と”家事の定義”にお互いがギャップがあることがわかりました。

 

例えば、洗濯。

よく家事として捉えられている洗濯ですが、単に洗濯機に洗濯ものを放り込んで洗剤を入れてスイッチオンすれば終わりと思っているのが夫。

洗濯機に入れる前の作業もざっと挙げただけでこれだけあります。

・裏返しになっている靴下を表に返す

・色柄物を分ける

・泥汚れ、油汚れを予め落としておく

・繊細なものは洗濯ネット入れる

 

外に洗濯を干す際も、

・風の通りが良いように、隙間をあけて干す

・長い物と短い物を交互に干すと風の通りが良くなる

・女性の下着などは外から見えないよう工夫をして干す

・洗濯バサミの跡がつかないよう気をつける

・パーカーや厚手の洋服は乾きにくいので干し方を工夫する

などなど、夫は把握していないであろう家事が存在します。

 

大和ハウス工業の調査によると、一般的にどこの家庭でもやっている家の仕事30項目について、「家事だと思うか」を聞いてみたところ、30項目のうち、18項目で妻の認識が高い結果に。

妻が日常的にしている家事は、夫は家事だと認識していないのです。

これは「名もなき家事」が存在しているとして話題になりました。

 

3、名もなき家事の正体とは

下記の30項目、あなたは家事だと認識していますか?

 

1.たまったゴミを捨てる

2.アイロンがけをする

3.食事の献立を考える

4.ベッドや布団を整える

5.飲みっぱなしのグラスを片付ける

6.調味料を補充・交換する

7.ゴミを分類する

8.食べ残しの食品を冷蔵庫にしまう

9.食事の前に食卓を拭く

10.トイレットペーパーがなくなったときに、買いに行く

11.手洗い場のタオルを取り換える

12.新聞・雑誌などをまとめて捨てる

13.脱ぎっぱなしの服をクローゼットやタンスにしまう

14.クリーニングに出す、取りに行く

15.玄関の靴をそろえる

16.靴を磨く

17.町内やマンションの会合に出席する

18.郵便物をチェックする

19.子どもの食事を手伝う

20.子どもの送迎

21.子どもの学校準備、勉強を見る

22.ペット、植物の世話

23.使い切ったティッシュの交換

24.古くなった照明の交換

25.ポストに入っていた不要なチラシの処分

26.朝カーテンを開け、夜カーテンを閉める

27.子どもとの会話

28.家電製品の選定・購入・設置

29.朝刊、夕刊を取りに行く

30.使った道具を元に戻す

出典:大和ハウス工業『共働き夫婦の「家事」に関する意識調査』より

 

上記の中で、特に

10.トイレットペーパーがなくなったときに、買いに行く

が夫67.3%、妻83.0%

 

16.靴を磨く

が夫46.0%、妻57.7%

 

17.町内やマンションの会合に出席する

が夫46.7%、妻56.7%

と夫と妻の差が多く出ました。

 

コピーライターの梅田さんは、自身の子どもが生まれ育児休暇を取った際、名もなき家事が多いことに驚き、twitterでつぶやいたところ、13万件を超えるいいね!がつき大反響となりました。

それから梅田さんは本を出版。

その名も『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(サンマーク出版)

出典:サンマーク出版

出典:東京新聞「TOKYO Web」

梅田さんは、洗濯一つとっても、手洗いすべきか、洗濯機に放り込むか選択する家事もあるとし、それを「洗濯の選択」と名付けています。

 

本書では

「家事には終わりがない、達成感もない、誰かに褒められることもない。今まで妻が気がついた部分をやっていたから家庭が回っていた。もっと敬意を払うべきだった」とあります。

 

この本の素晴らしいところは、名もなき家事を言語化し、見える化したことです。

それも家事が楽しくなるような言葉なので、夫婦間で話題にしやすく、家事への認識が変わりました。

 

4、家事の不公平をなくすには

まず、日々の小さな家事がとても多いということをまず理解することから始めましょう。

 

家の家事、育児の全体像を書き出し、夫婦間の認識のズレをなくしていくことが大切です。

 

・食器を洗い終わったら終わりなのではなく、排水溝のゴミを捨て、シンクを掃除するまでが食事後の家事だということ。

・冬、暖房をつけると、窓に結露がつくので、結露を拭かないとカビがついてしまうということ。

・冷蔵庫の製氷器もエアコンのフィルターも、空気清浄機のフィルターも掃除が必要だということ。

 

このように細かく家事項目を挙げ、夫婦で共有しましょう。

夫は「こんな家事もあるのか」と驚くかもしれませんが、妻が一人で抱え「私一人がこんなに忙しい思いをしている」とイライラを募らせるより、まずこれが家事だと認識してもらうことから始めます。

 

もしかしたら、夫は妻に任せっぱなしという意識はなく、名もなき家事の存在を知らないだけかもしれません。

その際、手伝ってもらうという意識は捨てましょう。

そもそも家族のことですから、「妻が一人で抱えるのを夫が手伝う」という図式ではありません。

「気がついた人がやればいい」という結論になると、夫は気がつかず、また妻の家事ストレスが溜まるだけです。

得意な事を担当制にするのはいかがでしょうか?

曜日毎もいいですね。

 

家事の負担が減ると、自分の時間が増えたり、子どもとの時間を増やしたり、時間の有効活用ができるでしょう。

5、まとめ

家事で一番面倒に感じるのは何ですか?

子どものおもちゃの出しっぱなし、家族のパジャマの脱ぎっぱなし、靴の脱ぎっぱなし、ゴミを散らかしっぱなし等、○○ぱなしは皆さん苦労しています。

誰かが片付けてくれると思っているのか、それとも散らかっている状況が気にならないのか。目についてしまうこちらはストレスが溜まりますよね。

夫はしているつもりの家事も、妻から見ると物足りなかったり、やり方が違うから結局やり直しするはめになったり。

人によっては「ささいなこと」と思うことでも、毎日毎日繰り返し片付けている人にとってはストレス以外何ものでもありません。

しかし、こういった家事に「名もなき家事」という名前がつき、見える化したことは私たちにとって朗報です。

リストにし、家族で話し合い、皆が納得する方法が見つかるはずです。

そして、それを実行したら必ず認めて褒め合うことも大切です。

家事は365日休みなくやってくる、誰にも褒められない仕事ですから、認め合うだけでモチベーションが上がります。

 


 

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