美容鍼とは?美容鍼の効果を徹底解説!
2020/6/24
目次
最近、SNSやテレビ等でも 『美容鍼灸』 という言葉を目にするようになってきました。
鍼灸は、古くから身体の様々な不調の調整やけがのケア、また病気の予防などに用いられてきましたが、その鍼の施術を美容の分野に応用したものが美容鍼です。
顔の美容法には、化粧品を使ったり、エステなどでマッサージや機器を用いた施術もありますが、美容鍼は、化粧品やエステのように肌の表面からアプローチするのではなく、それらのアプローチでは届かない、より深い層へ鍼によって直接刺激することで、組織や細胞、血管や神経を刺激して体の内側に働きかける美容法です。
美容鍼は、東洋医学の思想に基づいてツボを刺激したり、筋肉、皮下組織に直接働きかけ、血行を促進し、肌を美しく整えていきます。
また、肌だけでなく、胃や腸の改善、肩コリ、足のむくみなど、身体全体のバランスを調整しながら、肌本来が持つ回復機能を活性化させ、アンチエイジングへと導いていきます。
「皮膚は内臓の鏡」、「皮膚は第三の脳」とも呼ばれるように、皮膚組織は体内の健康が顕著に現われるほか、精神的な健康具合の変化にも非常に敏感な場所です。
鍼灸治療を行うことで心身から健康な状態を実現し、その結果、皮膚組織を健全な状態で持続できると言われています。
鍼治療による美容効果は、世界保健機構(WHO)でも認められており、且つ副作用などもありませんから、安心して受けられる美容方法として注目されています。
鍼灸は、中国で古くから行われてきた医療のひとつで、その歴史は数千年ともいわれています。
鍼灸の美容効果については、古代中国王朝の王妃が美容効果を求めて鍼治療を受けていたという記録が残ってはいますが、中国で1980年代から美容医学が重視されるようになるとともに中医美容の関心が高まり、研究や臨床に取り組まれるようになりました。
そのなかのひとつである美容鍼が世界的に注目されるようになったのは今から15年ほど前の米国で、ハリウッド女優などのセレブリィティが 「cosmetic acupuncture」としてウェブメディアなどで世界に向けて情報を発信したことがきっかけといわれています。
その情報は日本にまで届き、美容鍼を取り入れる鍼灸院が少しずつ増えました。モデルさんや女優さんを始めとするセレブリティたちがブログやSNSに鍼を顔に刺した施術中の写真をアップされるようになり、美容鍼の認知が広がり始め、徐々に浸透してきています。
マスメディアでも取り上げられることかが多くなったこともあり、今まで鍼灸に興味を持たなかった人々からも支持を集め、鍼灸の新たな成長分野として期待されています。
美容鍼の施術は、国家資格を持ったはり師が行います。施術を受ける方、一人一人の美容のお悩みと症状によって、はり師がその都度鍼を打つ場所や本数を決めています。
美容鍼で使われている鍼の太さは、施術する鍼灸師によって多少の違いがありますが、通常使われているのは直径0.10mm~0.20mm程度の細い鍼で、ほとんどの治療院が滅菌されたディスポーザブル鍼(使い捨ての鍼)を使用しています。
本数に関しては、必ず何本打つとは決まっていませんが、お顔に平均30~50本程度ということが多いようです。
また美容鍼は、お化粧をしたまま気軽に施術できる治療院も多くありますし、顔だけでなく身体全体の鍼灸治療をする治療院もあります。
施術方法に関しては、治療院ごとに特徴・違いがありますので、問い合わせをしてご自身の希望に添える治療院を選ぶと良いでしょう。
お顔の皮膚は、簡単にいえば「表皮」、「真皮」、「皮下組織」という3つの層から成っています。表皮はお顔の表面、真皮はその内側にあり、皮下組織はさらに奥にある層です。
美容鍼は、鍼を打つことで皮膚の真皮層に微小な傷を与えます。この傷を細胞が「組織が壊された」と認識し、白血球を集めて壊れた組織を修復しようとします。人間が本来持っている「自然治癒力(人間が生まれながら持っている身体を回復させようとする力)」によって、細胞を活性化させます。
さらに皮膚を守るために、表皮や真皮に含まれるコラーゲン、セラミドなどお肌にとって大切な成分を積極的に生成するので新陳代謝が活発になり、血行が促進し、その結果、お肌の状態が改善されるのです。
美容鍼は、表情筋の筋肉を和らげ、筋力を高めることができます。
お顔の筋肉の中を張り巡っている血管は、血管の収縮作用をもたらす交感神経が優位になりすぎていると、血管は収縮して血流が悪くなり、筋肉が過度に緊張している状態になります。
例えば一日中パソコンに向かって仕事をすると、顔がこわばったりする状態です。顔の表情筋が使われず、筋肉が硬く緊張した状態を続けていると筋力が低下し、顔のシワ・たるみ・フェイスラインの崩れを引き起こす原因になります。
顔に鍼を打つことにより、交感神経の活動が抑制されるため、血管が拡張して血流が増加し、筋肉も緩みます。その結果、お顔のコリや硬さが緩んで本来あるべき理想の状態に戻るのです。
また、体の筋肉と同じように、顔の筋肉も加齢によって筋肉量が低下します。筋肉量は30代から減少し始めていきます。筋肉量が低下することで、筋肉が皮下脂肪と皮膚を支えられずに起こる現象が顔のたるみです。
美容鍼によって筋肉を刺激し、血流を改善して老化を防ぐという作用があるのです。
美容鍼は、顔だけでなく身体へも効果があります。
例えば、肌への作用でも説明した血流を改善するという効果は、顔だけでなく身体にも効果をもたらします。血流が悪いことが一因で症状がおこる肩こりや冷え性・むくみなどの改善が期待できます。
また、ホルモンのバランスを調整し、生理不順・PMS・更年期障害などの症状にも効果的です。
さらには、自律神経にも作用し、不眠やストレスの解消・リラックス効果があります。
たるみの原因は筋肉の老化です。例えば、表情が乏しいと顔の筋肉は使われずにどんどん硬くなっていきます。
柔軟性を失った筋肉は、古くなったゴムのようにハリがなくなり、顔の筋力が低下すると、皮膚を持ち上げる事ができなくなり、たるみが生じます。
頬の筋肉が緩むとほうれい線が入り、目周りの筋肉が緩むと上まぶたは重くなって、目の下には目袋や大きな線が入ります。
顔全体ではフェイスラインが崩れて顔が大きくなったり、顔が四角くなってきてしまったり、二重顎にもつながります。
美容鍼によって筋肉を柔軟にし、血流を促進して働かなくなった筋肉を活性化します。
また、コラーゲンの生成を促し、ハリと潤いをもたらします。
表情筋の衰えと乾燥がシワの原因になります。表情筋がたるむことによって表皮が寄り、シワになるのです。乾燥は、肌質やエアコンなどの生活環境が大きく関係します。
また、眉間のシワなど、筋肉の過緊張によるものもあり、疲労・ストレス・眼精疲労などが原因となります。
たるみ同様、美容鍼によって筋肉を柔軟にし、コラーゲン生成の促進効果により、シワの改善をします。
顔の血流が悪くなると、皮膚の新陳代謝も悪くなります。
ストレスやアルコールの摂取過多、油物の飲食により顔に血熱がたまることで、大きなニキビや湿疹ができたり、逆に血流が弱く栄養分が全身に行き渡らないため、顔の皮膚が栄養されず、免疫力も低下して色々な感染症を発症しやすくなり、あせもや小さな湿疹ができるようになります。
美容鍼により、血流がよくなって老廃物を排出しやすく、栄養を得やすい状態にします。
また、ホルモンバランスを整え、ニキビができにくい状態にします。
できてしまったニキビ後も、美容鍼によって代謝を促進することで治癒しやすい状態になり、ニキビ跡が改善していきます。
虚弱体質やストレスの影響で血流が悪くなると、顔の皮膚が栄養不良となり、くすみやくまの原因となります。
また眼精疲労からもくまは生じます。くすみや目の下にくまができやすい人は同時に慢性の肩こりに悩んでいる方も多いようです。
紫外線に当たることによって色素形成細胞が刺激され、メラニンが肌に染み付いてシミができます。
約28日周期で表皮が角質となって剥がれ落ちる時にメラニンも排出されます。この周期のことをターンオーバーといいますが、若い頃は28日だったターンオーバーも、加齢などにより代謝が悪くなってくることで周期が遅くなり、角質が剥がれ落ちにくく、メラニンの排出がうまくいかなくなることでシミになります。
皮膚の表面近くにある毛細血管中のヘモグロビンが減るとくすんでしまいます。これは血行の悪さが原因です。また、ターンオーバーが遅く、角質層が厚くなることもくすみの原因になります。
・痛み
鍼治療に使用する鍼は、注射針とは違い、血管を傷つけにくく、痛みも軽減される形状になっています。
正直なところ、痛みが全くないとは言い切れませんが、髪の毛ほどの細さの鍼を使用するので、蚊に刺されたときのようにチクッとすることもありますが、何も感じない場所もあります。
個人差はありますが、痛みを感じる方は少ないようですし、ほとんど何も感じないくらいの刺激と思われる方もいらっしゃいます。
もともと痛みに強い方、弱い方では、美容鍼を受けられた時の鍼の痛みへの印象が違うようです。
また、美容鍼を受け慣れていて普段は痛みを感じない方でも、寝不足、ストレス、生理前や生理中は普段より肌が敏感になっている傾向があります。
使用する鍼によって細い鍼のほうが痛みを感じにくく、太い鍼の方が痛みを感じやすいですが、治療院によって使用する鍼の太さも若干違います。
また、鍼灸師の技術によって大きく左右されるものです。高い技術をもった鍼灸師に施術をしてもらえば、痛みを感じるリスクは減りますが、人間には痛点(皮膚面に分布する痛みを感じる点)があるためどんなに技術が高度でも、ごく稀に痛点にあたると痛みとして感じることもあります。
・内出血
出血は、簡単にいえば鍼によって毛細血管が傷ついたときに、漏れた血液が一定期間、皮下に残って起こる現象です。
病院で受ける血液検査などで使用する注射針でも同じく内出血の可能性はあります。
しかし、美容鍼は注射針よりも鍼がずっと細いので、内出血の可能性は注射針より低くなりますが、絶対に内出血しないとは言い切れません。
万が一内出血が出た場合でも、体質にもよりますが、小さいものは数日、大きいものでも2週間程度で必ずきれいに消えますので、大事な予定の前に美容鍼を受けたい場合は鍼灸師に前もって相談されるとよいでしょう。
普段から身体にあざができやすい方、血液をサラサラにするためのお薬を服用されている方などは、内出血がしやすくなります。
また、壊れた毛細血管の壁を修復する機能や、出血を止める血液凝固能が低い人は、内出血が消えるのに時間がかかる傾向があります。
このような方は、必ず施術前に鍼灸師に伝えていただくことをお勧めします。
お客様の体質、体調によりますが、1回の施術でも症状の改善はできます。特にリフトアップ効果や小顔効果は、直後効果として感じられる方が多いようです。
持続期間も個人差がありますが、1~2週間程度が平均的です。
ですが、日常生活における疲労やストレス、環境や習慣で元に戻りやすいものです。継続して美容鍼の施術を受けていただくことで、より効果がアップしたり、効果の持続力が高まることが多いです。
美容鍼の料金は通常の鍼灸治療より金額が少し高めに設定されています。
相場は、地域によっても異なりますが、東京での「初回限定料金」の平均的な値段は、施術時間が60分~90分で1万円前後の店舗が多くみられるようです。
料金で店舗を比較する際は、初回限定料金が設定されていることが多いので、効果の持続に関して、すでにお話したように、複数回通われる事を考えて、初回のみの料金だけでなく、通常料金を比較すると良いと思います。
また、美容鍼は自費診療で、保険適用ではありません。